認知症初期の事前準備(5点)

認知症初期から準備して分岐を回避したケース

対象は、軽度の物忘れが出始めた段階で、本人がまだ契約内容を理解し意思決定できた事例である。
家族はいるが同居ではなく、金融機関や医療機関の手続きが止まるリスクが早期に想定された。
目的は、判断能力低下後に「手続きが進まない状態」に落ちる前に、事前の契約と情報整理で分岐を減らすことである。

目次

結論

認知症初期の段階で、連絡系統の固定、財産・契約情報の棚卸し、代理の枠組みの設計、死後の空白の補完を先に実装すると、判断能力低下後に起きやすい「口座・契約・入所」の停止分岐を回避しやすい。
法定後見に直行する前に、任意後見・財産管理等委任・見守り・遺言等を役割分担させることが分岐回避に直結する。

理由(法の論理)

任意後見や各種委任契約は、本人が契約の意味を理解し意思決定できる段階でしか締結できない。
判断能力が低下した後は、金融機関・不動産・施設入所などの重要な法律行為が停止しやすく、法定後見の申立てが必要となる場面が増える。
成年後見の任務は本人死亡で終了するため、死後の事務は後見とは別の枠組みで用意しない限り空白になりやすい。

手順/フロー

  1. 事実の棚卸しを先に終わらせる
    ・通帳、印鑑、キャッシュカード、保険、不動産、年金、サブスク等の一覧を作成する
    ・医療・介護の連絡先と緊急連絡先を固定し、本人の意思(延命、入所方針等)のメモを残す
  2. 代理の枠組みを「段階別」に設計する
    ・日常の支払いや手続きは財産管理等委任等で先に回る形を作る
    ・将来の判断能力低下に備え、任意後見を検討し、発動条件と役割分担を明確にする
    ・見守りは「異変検知」に限定し、法的代理が必要な領域と混同しない
  3. 死後の空白を別枠で埋める
    ・成年後見の外側にある葬儀・納骨・遺品整理・未払精算等を、遺言や死後事務委任等で補完する
    ・「誰が」「どこまで」行うかを文書で残し、関係者の連絡先を一元化する

まとめ(要点)

・早期に棚卸しを終えると、判断能力低下後に起きる停止分岐を減らせる。
・代理は一発で万能にせず、平時運用と将来発動を分けて設計すると崩れにくい。
・死後は後見の射程外であるため、別枠の準備がない限り空白が残る。

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